広島で名の知れた鮨カウンターは、数か月先まで埋まっているか、電話を置かず予約アプリだけで回っているかのどちらかです。流川通りと三越から1分、小さなビルの2階にある鮨 稲穂は、気軽な街の鮨屋として営む一軒です。店主の三原美穂氏は湾の向こうの島・江田島の生まれで、東京ではなく広島と大阪の和食店・鮨店で修業しました。2023年に銀山町からここへ移転し、食べログに掲げる目標は「ハイクオリティな日常使いの出来る気さくな街の鮨屋」——おまかせは「1万円台」で、2万円を超えない。そして大事な但し書きも添えています。店内は和気藹々としており、凛とした静謐を求める方には向かないこともある、と。
味わうもの
「瀬戸内前」はお店自身の言葉です。魚は瀬戸内海と広島近海から選ばれ、2025年の鮨ブログは地元漁師との直接取引と、白身・おこぜ・ハタが続く構成を記しています。以前の訪問記には低温でじっくり火を入れた広島の牡蠣、穴子、熟成うなぎの白焼きも。米は庄原市東城町のもので水も同じ土地のもの、酢は尾道造酢と後藤商店という広島の赤酢2種のブレンドです。2025年のある夜は握り10貫に季節の先付、椀、焼き物、デザートという流れで、つまみも握りも決まった台本ではなくシャリの温度に合わせて仕立てる、とお店は言います。夜はおまかせ1本、税込16,500円でサービス料なし。土日のみ、同じ魚を品数少なめに組んだ昼のショートコースが9,900円であります。日本酒は頼まなければおまかせで選ばれ——広島には約40の酒蔵があり、リストは地元寄りです——広島のクラフトスピリッツやウイスキー、本格的なノンアルコールも揃います。
予約の実際
解禁日はありません。日本語の電話(082‑545‑5458)か、ネットで。食べログは直接予約でき、一休とぐるなびはどちらのコースもリクエスト予約を受け付けます。2024〜2026年の口コミが実際のリードタイムを示しています——前日に取れた昼、3日前に取れた夜、1か月前に取った夜。平日の夜は満席になりがちで、カウンターは12席。2026年には夜が取れず週末の昼にした、という人もいます。旅の途中で立ち寄るなら、その昼がいちばん入りやすいでしょう。
決まりは少なく明快です。お子様は小学校高学年以上で、大人と同じコースを食べる方のみ。強い香水は歓迎されません。一休には当日キャンセル100%の記載があります。カードは使えます。個室は小さく——お店と各サイトで2名とも4名とも書かれています——5名以上はカウンター前提で考えてください。当デスクが承る場合は日本語で電話し、コースと席を確定し、食事の制限を事前にお伝えします。
こんな方に
平和公園と宮島を巡る旅で広島に一泊し、2か月前からの計画も3万円の会計もなしに本格的な鮨カウンターに座りたい方に。そして週末の旅で、土曜の昼に9,900円のおまかせを組み込みたい方に。



