洲さきは寛政六年、1794年に創業し、以来同じ通りの同じ家で同じ料理を出し続けています。岐阜県で最古の料亭で、主屋など三棟は2022年に国の重要文化財に指定され、ミシュランガイド愛知・岐阜・三重2019は二つ星を与えました。供するのは宗和流本膳——高山二代藩主の長男で茶人の金森宗和が江戸初期に好みと形を定めた本膳料理で、素材選び・味付け・盛り付けの作法を、この家は十代にわたり口伝で受け継いできました。部屋は枯山水の庭に面した簡素な数寄屋の座敷。その先を流れるのが、町の開祖が京の加茂川に見立てた宮川です。司馬遼太郎は1987年の『街道をゆく』でこの家を書きました。どの部屋からも庭が望め、予約時に申し出れば最大60名まで椅子席も用意されます。
味わうもの
本膳の正式な形は三十品、儀礼としては十時間に及びます。洲さきの日常の答えが本膳崩——そのうち十一品を一夜で味わえるよう組んだもので、昼夜とも¥15,730(税・サービス料込)。昼にはさらに簡略な「味結」(¥10,285)と、先付・椀・八寸という日本料理の流れの中に飛騨牛を据えた「飛騨牛ビフテキ会席」(昼¥11,253、夜¥15,730)があり、会席料理は¥16,940から。年間を通じて、通常コースは同価格の季節限定料理に置き換わります——3月は雛あわせ、4月は花の宴、5〜6月は菖蒲あわせ、7〜8月は短夜、9〜10月は月酔夜。店が示す飛騨の歳時記にその考えがよく出ています。春の鱒の木の芽田楽、夏は宮川の鮎を丸ごと塩焼きに、秋は松茸と吹寄せの剥き物、12月と1月はかつて野麦峠を越えて運ばれた塩鰤。漆器は輪島塗と飛騨春慶、器は地元の渋草焼と小糸焼。春秋の高山祭(4月14・15日、10月9・10日)は本膳崩のみの提供です。
予約の実際
日本語の電話——公式の予約ページにそう書かれ、それ以外の手段はありません。解禁日も行列もなし。個室からなる大きな料亭で、掲載上120席、2名の卓も30名の広間も同じように用意されるため、通常の旅程の余裕で申し込めばたいてい取れます。昼は11:30〜14:00、夜は17:00からで最終入店19:00。定休は不定なので、当デスクが電話する際に営業日を確認します。お子様も歓迎。キャンセル料や最少人数は公表されておらず、季節料理が暦で変わるため、当デスクは予約時にコースまで確定させます。
こんな方に
飛騨牛の炭火焼きの店をもう一軒ではなく、城下町の正式な料理を味わいたい旅行者へ。春や秋の高山祭に合わせて滞在し、祭りの本膳を食べたい方へ。そして、席を奪い合うことなく、日本でもっとも物語のある料亭の座敷で格式ある一食を取りたいすべての方に。



