里葉亭は、横浜の焼鳥の基準といわれる店です。始まりは昭和30年代初頭、初代が占領期の歓楽街にあった「Bar LIBERTY」というバーを買い取り、名を漢字に変えて鶏を焼き始めたこと。孫の榊原伴次氏は20歳から父と二人三脚で店に立ち、2016年に三代目として代表を継ぎました。店はいまも福富町の裏路地、関内駅から徒歩5分、昭和の空気を残したままです。食べログ アワードでは2017年から2026年まで毎年Bronze、焼き鳥EAST百名店には2018年から2025年まで選ばれています。
味わうもの
おまかせ一本、11,000円から。食前酒と、店によれば90年以上受け継がれてきたぬか床の漬物で幕が開きます。続いて串——全部で12〜13品。レアぎりぎりに火を入れたハツ、脂が甘くなるまで焼いた皮、希少な白レバー、若鶏・熊野地鶏・高坂鶏といった複数の鶏の部位に、野菜や牛タンとごぼうの煮物のような一品が挟まります。締めは横浜で語り草になっている一皿、バー時代の名残であるカレー風味の「フライライス」です。コースは満腹になるまで続き、串の本数で会計が上がるため、11,000円は下限です。最近の訪問者は飲み物込みで一人17,000円ほどと記しています。ワインはフランスとナパ中心、日本酒には十四代のような希少銘柄も。ドリンクは一人一杯以上の注文が前提です。
予約の実際
これほど評価の高い店にしては、予約の方法は拍子抜けするほど普通です。おまかせは一休でネット予約でき、店は日本語の電話(045‑251‑7676)でも受け付けます。InstagramのDMには対応しないと明記。解禁日はありません。その代わりにあるのは規律です。夜は17時からの4部制で、店は時間厳守を求め、当日キャンセルは全額請求。2026年の口コミには、土曜17時30分の部を事前に予約できた例、平日17時の席を数日前にネットで取れた例、電話して15分後に座れた幸運な例がある一方、混む夜は17〜19時の枠しか残っていないという声もあります。
厳格なルールが二つ。中学生未満は不可、そして強い香水は不可。苦手な食材や広範囲のアレルギーは事前に伝えてください。事前に頼んで内臓系を外してもらった訪問者もいます。サービス料はなく、カードが使えます。なお、姉妹店の横濱里葉亭(横浜駅近くの鶴屋町、2021年開店)は別の予約です。当デスクは希望の部を日本語の電話で押さえ、アレルギーの申し送りまで行います。
こんな方に
横浜や鎌倉に滞在中で、東京へ戻らずにこの街ならではの一食を味わいたい方に。焼鳥にもおまかせという形が相応しいと信じる方に。そして一皿のチャーハンがなぜ一家の70年を背負えるのかを知りたい食べ手に。



