毎年夏になると、日本の鮨の世界は、指先よりも小さな一尾の魚をめぐって、しばし我を忘れる。新子(シンコ)——素朴なコハダの稚魚——は、重量あたりでは国内で最も高価な鮨である。走りの競りでは、高級マグロを上回る単価がつくこともある。その理由を知ることは、江戸前鮨が本当に何を尊ぶのかを学ぶ、短い一課となる。
新子とは何か
新子は、江戸前の伝統の中心にある銀色の魚、コハダ(コノシロ)の最も若い成長段階である。日本の多くの魚と同じく、成長するにつれて呼び名が変わっていく。
- 新子 — 夏の小さな稚魚
- コハダ — 育った魚。通年で使われる江戸前の定番
- コノシロ — 最も大きく成熟した姿
夏の特別な値と神秘をまとうのは、新子の段階だけである。
なぜマグロより高いのか
価格を押し上げるのは二つの力である。
- 希少性 — 旬は夏のわずか数週間に限られ、初物への需要は凄まじい。
- 手間 — 魚があまりに小さいため、一貫の握りに数尾を要することもあり、その一尾ずつを手作業で鱗を取り、骨を抜き、塩を当て、酢で締めていく。
魚がコハダへと育つにつれて走りの価格は落ち着いていくが、ごく初期の新子は重量あたりで高級マグロを上回ることがある。
職人の試金石
まさにその手のかかりようゆえに、新子は技量の基準として扱われる。コハダの酢締めはそれだけでも仕事場の力量を測る古典的な尺度であり、江戸前仕事とは何かで述べた通りだが、新子はその難度をさらに高める。一貫にどれだけ小さな身を重ねるかは、ほとんど職人の署名のように読み取られる。適切な折に見事に供することは、その店が伝統を真摯に受け継いでいる証となる。
いつ味わえるのか
新子が姿を見せるのは夏のわずか数週間で、初物はおおむね7月頃に届く。季節の鮨魚暦が示す通り、日本の旬がいかに狭くありうるかを、これほど鮮やかに物語る例は少ない。もし味わいたいなら、然るべき折に日本にいなければならない——そして、その年の口開けの一貫の値に、覚悟をしておくことだ。