日本の食通が最も信頼するクラウドソース型の評価、食べログアワードのゴールドは、その大半が東京と京都に集中する。だが2024年、それは伊那谷の田舎駅から徒歩三分の家族経営の一軒に贈られ、そのまま定着した。柚木元、評価4.59、いまやOADによって全国トップ10に数えられる名店である。二代目主人の萩原貴幸は、名高い招福樓で修業を積んでから故郷へ戻った。彼に言わせれば、この料理の要は温度だからだ。谷を見て、その土地の人と出会い、その朝に猟師と山菜採りが運び込んだものを食べる — それがすべてなのだという。
味わうもの
当店の看板は四季の熊。黒熊の鍋を一年を通して供し、季節ごとに仕立て直す。その極みが冬の、72時間煮込んだ出汁である。秋は松茸の狂宴だ。あるコースでは、周囲の山々から採れた松茸を一人あたり数百グラムも使い切る(炭火焼き、味噌漬け、土鍋蒸しにして)。春は野の山菜を、夏は天竜川の鮎をもたらす。どの一行も、それぞれの個室で、それぞれの献立を味わう。
その週がすべてを決める
ここで意味を持つ席は季節のものだ。真冬の熊、秋の松茸。熊のもてなしは猟の成否に左右され、予約時に必ずお願いしておかねばならない。間違った週に頼めば、山がただそれを授けてくれなかった、というだけのことになる。腕の見せどころは段取りにある。正しい週、正しい依頼、そして旅そのものだ。
周囲の土地
ここは今日の日本で最も辺鄙な名店であり、それこそが眼目である。夕餉には昼神温泉を、そして日本一の星空と公式に認定された阿智村の星空ツアーを、天竜峡の舟下りを、そして1947年の大火のあと地元の学童が植えたりんご並木を添えてほしい。リニア線が開通すれば、この谷は東京から45分になる。そうなる前に、ここで食べてほしい。
こんな方に
評価が本当に指し示す場所へ足を運ぶ覚悟のある食の旅人へ。そして、この格の食事には珍しく、家族連れにも。すべての部屋が個室で、子どもたちが心から歓迎される。



