鳥茂は1949年、戦後の新宿・闇市に立った屋台として、鶏肉店の名を借りて豚のもつ串を売ることから始まった。豚肉の商いが法のグレーゾーンにあった年の、ごくありふれた偽装である。三代を経た今は駅南口から二分の自社ビルを満たし、二階のカウンターは、東京の経営者やアスリート、編集者たちが商談をまとめる部屋として知られる。タレ — 串をくぐらせる甘い醤油ダレ — は屋台の時代から絶やさずつぎ足されてきた。今夜の一本一本に、1949年の名残がわずかに宿っている。
味わうもの
焼きとん — 豚の串、ここでは主にもつ。のど、ハツ、レバー — のおまかせが次々と繰り出される。焼くのは備長炭、炎を上げずに焼き締める緻密な白炭で、仕上げにあの年代物のタレをまとわせる。もつの合間には、日本の定番に加わった当店考案の一品、ピーマン肉詰めが挟まる。初代のハンバーグ職人時代の腕から生まれたと店は伝える。今のコースは和牛串、シャトーブリアン、キャビアの飯と高級路線に流れていくが、背骨は今ももつ、煙、甘い醤油。約8,500円から、席料800円。そして現金のみ — これは本気の決まりである。
予約の実際
すべては一本の電話、日本語で回っている。そして営業中、その回線は端的にパンクする。常連は17時の開店時か閉店間際にかけると知っており、宵の口には決してかけない。新宿の本店にオンラインの窓口はない。あとは算数が説明してくれる。82席は多く聞こえるが、皆が奪い合うのは焼き台の前のカウンター22席で、そこは先につながった者のもの — 大半は、帰りがけに次の予約を入れていく日本人の常連である。正しい時刻に、日本語で電話をかけ、カウンターと名指しで頼むデスクは、彼らと同じ土俵で戦っている。
こんな方に
星の数ではなく炭火でその街を測る方に — あるいは、この席がどれほど取りにくいかを正確に知っている日本の同僚をもてなす方に。ゴールデン街と思い出横丁は歩いてすぐ。鳥茂は、あの路地裏の料理が七十五年の研鑽を経てたどり着く姿である。



