「砂場」— そばの世界で最も古い屋号だ。その名は、1580年代に大坂城の砂置き場で働く人足たちの腹を満たした麺屋にまで遡る。その系譜を汲む室町の店は、1869年より日本橋に暖簾を守り、村松家の五代にわたって受け継がれてきた。そして戦後、三代目の兄弟の代に、この店は一つの実際的な問題を解いて、図らずも日本に普遍の一皿を贈ることになる。熱い天ぷらそばは夏には辛い — その答えが天ざるだった。冷たいそばの傍らに、海老と貝柱のかき揚げを浮かべた温かいつけ汁を据える。日本中でこれを注文する人の中で、これがここで発明されたと知る人は少ない。
味わうもの
まずは言うまでもなく元祖を、二種の麺で。そばの実の磨かれた芯から挽いた象牙色のざると、より色濃く香ばしいもり。かき揚げは温かいつゆの中で少しずつ甘みを溶かし出すから、最後の一浸しは最初の一浸しと味が違う — それこそが設計だ。その周りには江戸そば文化の全文法が揃う。まずは日本酒とそば味噌、鰊の棒煮。締めに麺。中央に小さな坪庭を抱く建物の中で。
予約の実際
一つの厨房を、二つの顔が分け合っている。一階 — テーブルと小上がりの畳 — は一切予約を取らない。ふらりと入り、昼のピークを外せば数分で座れる。二階 — 掘りごたつの座敷と洋間、4名から32名まで — は電話のみ、日本語での予約制で、宴会コースからそば懐石まで同じ厨房が供する。予約サイトには一切載っていない。日曜・祝日は休み、土曜は昼のみの営業 — 週末の計画者を捕まえる落とし穴だ。二階が開くのは、当デスクの一本の電話から。部屋とコースを押さえておけば、多くの旅人が行列としてしか知らないこの店で、畳の個室の昼餉が待っている。
こんな方へ
そばを知り尽くしていると自負する方、日本橋を軸に一日を組み立てる方 — 三越本店も三井記念美術館も数分の距離だ — あるいは単純に、一皿が生まれた場所でそれを食べるのが好きな方へ。



