香川は日本随一のうどん王国であり、わら家はその象徴のひとつです。江戸時代の茅葺き古民家を解体し、屋島の麓に移築して建てられました。店名は、建物の故郷である田舎を意味する讃岐の言葉「在郷(ざいご)」に由来します。この佇まいこそが訪れる価値の半分を占めます。木と藁、そして庭園。駅前の立ち食いスタンドとはまるで別世界です。
味わうもの
注文すべき一品は釜揚げうどん。注文を受けてから大きな釜で茹で上げ、水にさらさず温かいまま供され、一升瓶に入った熱いつけだしにつけていただきます。だしは店の秘伝で、麺は讃岐うどんが誇るコシを備えています。単純で一途な一品を、島を越えて人々を惹きつけるほどの高みで仕上げているのです。
訪れ方と注文の仕方
讃岐うどんは予約ではなく行列で回ります。わら家は行列が体験の一部となるほどの人気店で、その価値はいかに行列と向き合うかを知ることにあります。可能なら昼のピークを外して訪れましょう。約200席という大人数をさばく仕込みができているため、席に着いてしまえば待ち時間はすぐに進みます。釜揚げを注文し、つけだしの一升瓶を受け取れば、この店を象徴する一品が揃います。
行列に並ぶべき人
高松周辺で一日を過ごす旅行者へ。栗林公園、海岸、沖に浮かぶ瀬戸内海の島々をめぐりながら、最も趣ある名店のひとつでこの地方を代表する麺を味わいたい方、そして予約を短い待ち時間と引き換えにすることを厭わない方に。



