瀬戸内海に面した小さな県・香川は、日本で最もうどんを食べる土地であり、わら家はこの地方が自らの基準とする店のひとつです。1975年(昭和50年)から、高松中心部の東にそびえる屋島の麓で暖簾を掲げ、移築古民家の野外博物館「四国村」の入口に店を構えています。そして店舗そのものが移築建築のひとつ — 徳島の山間から解体して運び、一本一本組み直した江戸末期の茅葺き農家です。屋号は、この建物の故郷のような田舎を意味する讃岐の言葉「在郷(ざいご)」に由来します。
味わうもの
注文すべきは釜揚げうどん。注文を受けてから釜で茹で、湯からあげずにそのまま供されるため、表面は絹のように滑らかなまま、芯には讃岐うどんの評価を決める「コシ」が残ります。ひと口ずつ、背の高い徳利から注ぐ熱いつけだしにつけていただきます。この配合だけは、店が決して語らない秘伝です。小は¥570、メニューのほとんどが¥1,300を超えません — 贅沢ではなく、日常の食を名店の水準で保ち続けているのです。
予約の実際 — 予約はできません
予約帳は存在せず、電話をかけても変わりません。讃岐うどんは行列で回る文化です。その代わり、数の論理が速さをくれます。約160席と大量調理に耐える厨房のおかげで、正午の行列でも1時間かからずに進みます。営業は9:30〜17:30(L.O. 17:00)、年中無休。11:30前か13:30以降なら、そのまま入れることも珍しくありません。当デスクの仕事が電話ではなく「計画」になる、リストでも稀有な一軒です — 栗林公園、屋島の展望、隣の四国村のあいだ、行列が最も短い時間帯にわら家を組み込みます。
こんな方へ
香川の人々が実際に食べているものを、駅の立ち食いではなく茅葺き屋根の下で味わいたい方へ — 予約の代わりに、短くて流れの速い行列と¥570の傑作を、喜んで受け入れられる方へ。



